カスタマープロフィール
ZTEは1985年に香港に隣接する中国深圳市に設立されました。
全世界に7万人以上の社員を擁し、140ヵ国、500社以上の通信事業者に、通信機器とネットワーク・ソリューションのサービスを提供しています。ZTEジャパンはZTE Corporation の100%出資会社として2008 年4 月に設立されました。
日本の通信事業者向けに、最先端の有線・無線の通信ネットワーク・ソリューション、3G端末・スマートフォン・データカード等の携帯端末製品を提供しています。
通信サービスを支える国際企業
通信業界では技術革新が早いペースで進んでいます。特に、携帯電話を支える無線通信では、新しい通信規格が次々と提案されています。
「ZTEは通信ネットワークを支えるビジネスを、世界中の通信事業者と行っています。新たに展開が始まった『SoftBank 4G』を支える、AXGP方式の通信ネットワーク網の構築が、ZTEにとって日本での最初の本格的なビジネスになりました。」ZTEジャパンの劉さんに話を伺いました。
「AXGP方式というのは、ウィルコムが取り組んできたPHS高速化の規格であるXGPをさらに改良したものです。PHSの通信インフラを生かしながら、もう一つ別の新規格の通信ネットワーク網を構築し、運用、保守を行うというのが、ZTEジャパンの業務です。」ちょっと難しいテクニカルな話も劉さんにわかりやすく説明してもらいました。
「基地局のアンテナやケーブル、サーバなどの通信機材を調達して、きちんと動作するように設定を行います。その上で、通信設備の運用やメンテナンスも担っているんです。」
「その流れの中で、どこでも通信ができるように、電波を地域的に最適化する必要があります。
MapInfo製品はここで使われているんですよ。」
走行試験のログをMapInfo® Pro 上でマップ化
通信エリアの最適化の作業は、実際に構築された通信ネットワーク網のエリア内で正常に通信ができるように、電波の測定とチューニングを繰り返すことで実現していきます。
そこで、劉さんにMapInfo 製品をどうやって活用しているのかを教えてもらいました。
「MapInfo® Pro 上で測定ルートを作成して、このマップを走行試験の担当者に渡します。走行試験によって収集されたログには、GPSの記録とともに電波状態が記録されています。このログはパッと見では数字の羅列なので、これをただ眺めていても電波状態は十分に理解できません。」
「そこで、このログをMapInfo® Pro に読み込みます。
電波強度のマップを作成すれば、目に見えない電波の状態を視覚的に捉えることができます。
こうすれば、どのあたりで設備の改善が必要なのかを、マップの上で一目で理解することができます。」
通信業界での知名度も高く、導入に不安はありませんでした
MapInfo 製品のこのような活用は、ZTEの中国本社ですでに確立していた方法だったそうです。
「通信業界、その中でも特に無線業務に関しては、MapInfo 製品の知名度は高く、日本でもMapInfo 製品は広く普及していました。したがって、本社と同じ環境で業務を行うことに、疑問を持つことはありませんでした。」という状況の下、2011 年7 月にMapInfoProfessionalと道路データであるStreetProを導入。同時にMapInfo® Pro の操作トレーニングも受講し、3ヶ月後の10月から運用が始まりました。
「あとでわかったことですが、ZTE本社ではMapInfo製品について、Preciselyと包括的なライセンス契約を行っていたそうです。日本でトレーニングを受けられたことで、不安だったソフトのオペレーションも安心してできるようになりました。」とMapInfo導入の経緯を伺いました。
今後に向けて、「日本各地での業務展開はまだまだ拡大する予定です。全国各地のマップを手軽に共有できるMapInfoのウェブマッピングについても検討していきたい。」と劉さんにまとめていただきました。
基地局の位置をマップで示したマップ上で、走行試験のルートを作成します。
MapInfo® Pro の活用により、走行距離などを考慮したルート作成が容易に実行できます。
走行試験で取得したログデータをMapInfo® Proに展開します。
電波状態をマップ化することで、どのあたりに改善の必要があるのかが一目瞭然となります。
ZTEジャパン株式会社
テクノロジー & エンジニアリング事業本部
エンジニアリング技術部
シニア技術マネージャー
劉 人傑 氏
「MapInfo® Pro は通信業界内では世界的に有名で、中国の本社でも広く導入されています。
今回、日本でAXGP方式の通信ネットワーク構築のビジネスを行うことになった際も、迷うことなくMapInfo製品を選びました。」
「導入前までは、同僚がスイスイと使いこなしていたMapInfo® Proが自分でも使えるのか心配でした。でも、Precisely行っている4 日間のトレーニングを受けたら、ほとんど操作には困らず、業務は順調に進められました。」
ポイント
- MapInfo 製品は中国本社でも導入され、通信業界での世界的な実績もあったことから、日本での導入にも障害はなかった。
- 通信エリアの最適化を行う際の、企画・実行の段階から、調査実施後のログの視覚化、報告書作成までの工程全般でMapInfo® Pro が活用されている。
- Preciselyで実施しているMapInfo® Pro のトレーニングの受講によって、難しいと言われているMapInfo の一連の操作も問題なく行えるようになった。
- MapInfo® Pro
- MapInfo® Pro は、意思決定とデータ分析を支援するデスクトップ型の位置情報活用ソフトウェアです。
位置情報を持つデータを地図上で可視化し、設備管理・計画、新規顧客発掘、店舗展開、マーケティングおよび経営戦略をサポートします。
- StreetPro
- StreetPro(ストリートプロ)はMapInfoブランドの地図データ製品です。世界およそ30 の国や地域をカバーしており、マーケットリサーチや出店検討などの地理的分析に活用されています。