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大分県カスタマープロフィール九州東部に位置する大分県は、面積6340km2(全国22位)、人口約120万人(全国33位)。 平成23(2011)年度防疫演習の様子 不眠不休で鳥インフルエンザを制圧「平成16(2004)年の2月に九重町で発生した鳥インフルエンザが始まりでした。」鳥インフルエンザ対策のための『防疫マップ』導入を中心的な立場で進めてきた大分県農林水産部家畜衛生飼料室の吉武室長に経緯を振り返っていただきました。 環境衛生班の矢崎さんには、さらに具体的なエピソードを披露していただきました。「発生場所から半径30kmは移動制限区域となります。この区域内の養鶏施設をピックアップするために、5万分の1地形図を貼り合わせました。2畳ほどの大きさになったと思います。ここに糸とペンで線を引いて、対象施設をピックアップしました。」「とにかく、家畜伝染病の場合は初動で時間をかけないことが大事なことです。当時は市町村との調整を含めてこの作業に3日ほどかかっていました。もう少しすばやく初動体制を敷けるようにすることが課題として残されました。」 公募型プロポーザルで導入へこの経験を踏まえて、家畜伝染病に特化した地理情報システムの導入が検討されることになりました。「平成18(2006)年度にプロポーザルによる公募を行い、競合の末に地元の日建コンサルタントが提案したMapInfo® Proをベースにカスタマイズを施した『防疫マップ』が 採用されることになりました。」 吉武さんに採用の決め手をうかがったところ「何といってもその使い勝手にありました。コンピュータの操作にそれほど慣れていないメンバーでも、特別なトレーニングなしで使えそうだという点を最も重視しました。」とコメントいただきました。 大分県庁 すばやい意志決定ができる点が魅力です『防疫マップ』では、畜産農家の位置や飼育頭数・場内配置図といった情報を格納しています。まず地図上に発生地点をプロットし、移動・搬出制限区域を任意の半径で設定します。この作業だけで制限区域内の農場を抽出し、これらを帳票として出力することができます。 大分県で導入されたこのシステムは有効性を評価され、今では鹿児島県と福岡県でも採用されています。 『防疫マップ』は、4つのボタンを押すだけで制限区域の設定と対象施設の抽出ができます。防疫演習で活用されたばかりでなく、平成23(2011)年2月に大分県内で実際に鳥インフルエンザが発生した際にも活用され、早期封じ込めに効果を発揮しました。 大分県農林水産部 「インフルエンザが発生しやすくなる寒い時期になると、夜を徹して封じ込め対策を行ったことを思い出します。でも、『防疫マップ』を導入してからはかなりの作業をシステムがやってくれます。意志決定が確実に早くできて、安心して毎晩眠れます。」 「防疫マップシステムの導入で、防疫計画の立案に必要なデータを極めて短時間で処理・抽出できるようになり、作業時間の大幅な短縮につながりました。しかも、一般の職員でも簡単に操作できるように作られているのが助かります。」 大分県農林水産部 ポイント
大分県 農林水産部家畜衛生飼料室
株式会社日建コンサルタント
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