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江南町教育委員会

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遺跡調査の膨大なデータをMapInfoで統合業務の大幅な効率化を実現した「遺跡情報管理システム」

数多くの遺跡や文化財のある自治体では、その調査や管理に関わる多様な情報・資料をどのように効率良く管理するかが大きな課題となっている。行政区域内に、86もの包蔵地を持つ埼玉県大里郡江南町では、膨大な資料データを統合するため、2000年12月にMapInfoをベースにした「遺跡情報管理システム」を導入した。このシステムは、とくに現場での使い易さを重視した操作性の良さが大きな特徴となっており、各種資料の一元化と業務の効率化に大きく貢献している。

問合せへの対応など業務の効率化が大きな課題

(江南町教育委員会 森田安章氏)埼玉県大里郡江南町は、86もの遺跡の包蔵地を持ち、『踊る埴輪の町』としても知られる遺跡の町である。

遺跡の発掘調査やそれに関わる行政業務では、通常、各種の地図、発掘現場の図面、写真、記録文書や調査報告書など、種類の異なる大量の資料を管理する。現在、江南町の遺跡関連資料は、江南町教育委員会が一括して管理を行っているが、以前より、そうした各種の資料管理と日常業務との連携を、どう効率化するかが大きな課題の一つとなっていた。

「土地売買や建設工事予定の土地が遺跡の包蔵地にかかる場合は、事前に発掘調査が必要になります。したがって、そうした取引などの前に包蔵地か否か、また過去の調査記録から想定してその場所は遺跡があるかどうかといった細かな問合せが、1日に何度もあることが少なくありません。従来は、図面、地図、写真などの資料を各々別々に管理していたので、その都度一旦電話を切り、税務課へ地籍図を見に行くなど、課や建物を跨いでそれぞれ調べにいかなくてはなりませんでした」と語るのは、江南町教育委員会・森田安彦氏。森田氏は、実際の発掘調査や資料保管をはじめ、長年この業務に携わっている。

写真:踊る埴輪同委員会では、2年前、庁舎の新設に伴い、遺跡関連資料の保管・管理用としてファイリングシステムを導入した。しかし、元々紙ベースなので、1年経つと中の情報を更新し、古い資料は他の保管場所へ移さなくてはならない。保管場所は、3年・5年・10年単位で変わることになっており、数年前に遡ってという場合は、資料を探すだけでも大変な時間がかかっていたのである。そこで江南町教育委員会では、新たな情報ツールの検討をはじめた。

「問題を根本から解決するためには、資料データの一元管理だけでなく、業務でも検索や参照ができる統合型のシステムが必要でした。丁度、GISが話題なりはじめた頃でしたが、予算がないのでどうしようかと思いあぐねていたところ、国の緊急雇用対策の一環で何とか予算が下りることになりました。早速、プロポーザル方式で一般公募し、最終的に3社に絞り提案を行ってもらった。その中で、第一航業さんからのご提案が最も業務に即していて、優れたシステムだと判断しました」。

独自のインターフェースと補助機能が特徴の「遺跡情報管理システム」

遺跡リスト同委員会では、2000年秋にMapInfoをベースにした「遺跡情報管理システム」の導入を決定、2001年3月から本稼動を開始した。このシステムは、コアエンジンのMapInfoとベース地図(住宅地図)を三井造船システム技研が提供し、江南町の業務向けに第一航業がシステム開発を行った業務対応型のシステムである。

「遺跡情報管理システム」は、ベース地図として住宅地図、1/2500都市計画図、図面から読み込んだラスター形式の1/1000地番図、その地番図を元に作成した住所・地番のポイントデータを搭載している。これにより、遺跡一覧からの管理番号や名称による検索、公共物などの目標物検索、住所・地番検索の3種類のキーワード検索と、地図画面の双方から検索が可能だ。

マスターデータとしては、各包蔵地ごとの住所や規模、土地利用状況、遺跡種別といった概要と調査情報を統合する「調査カード」データベースを使用。これに過去の発掘情報を参照するための「発掘履歴カード」データベースが統合されている。DXF形式やラスター形式の図面、写真、関連する文書ファイルなど、他の形式の異なるファイルの登録・参照も、すべてデータベース・テーブルと地図にリンクされ、業務の中で一元的に処理できる仕組みである。

このシステムの最大の特徴は、誰もが直感的に使える分かり易いユーザー・インターフェースと、インデックス・マップ機能である。インデックス・マップは、地図の操作を補助するためのもので、メインの地図画面の脇に小さなエリア地図を表示しておき、拡大表示した時などに、現在の表示位置がどこなのかが一目でわかるようになっている。

インデックス・マップ・コンタ図データ集計や地理的分析に使えるのはもちろん、業務上の作業支援を目的とした複数の補助機能を搭載している点も特徴的である。例えば、「ウィンドウ保存」という出力支援機能は、メニューなどの余分な部分を除いた画面の表示状態を、ハードコピーのようにBMPやJPEG形式でファイルへ保存することができる。保存されたファイルは、ごく普通にメールや他のファイルへ簡単に貼り付けることが可能だ。また通常は、そのままではコピーできない地図画面も、クリップボードを使ってダイレクトにWindowsベースの他のソフトや資料にコピー・貼り付けができるようになっており、地図を利用した報告書や調査書類の作成にも大変便利である。

遺跡調査に関わる業務では、1/2500縮尺から最大1/10前後の大スケールまで、高精度でさまざまなスケールの地図・図面を扱う反面、業務に従事する人は、技術系の専門家ではなく、ごく普通の職員や一般の人であることが多い。そのため、システム的にも地図の見易さと使い易さを重視したさまざまな工夫が必要になるのである。

素早いデータ検索と地図表示により生産性も向上

包蔵地ポリゴン編集「一番の効果は、何と言っても速さです。問合せにも、資料を探す手間がなくなりその場で対応できるようになったので、本当に助かります。当初、他のGIS製品と比較して機能や拡張性において優位と判断しましたが、実際に使ってみると、パソコンにあまり詳しくない私でも楽に使えました。操作性においても優れた製品だと思いいます。また予想以上に便利と感じたのは、地図データの重ね合わせです。例えば、遺跡でも溝などの場合は、前後の部分が確認されればその中間にもあるだろうと予想ができます。一つの包蔵地の中でも、すでに発掘されている場所とそうでない場所がありますから、未調査の箇所については図面を見ながら判断するわけです。しかし、従来は図面と住宅地図があっても重ね合わせができなかったので、見比べながら勘と経験で判断する以外なかったのです。現在では、そうした問合せに対してもより正確にお応えできるようになりました。調査報告書などを提出する際にも、以前のように図面を縮小・コピーして切り貼りする必要がなく、地図をそのまま出力できるので、事務作業全体の生産性が向上しました」

システムに関する課題としては、ベースにラスター形式の地番図を使用しているため、表示などに若干時間がかかる。またポイントデータが包蔵地周辺に限られており、地番検索できるエリアが限定されている、といったことなどが挙げられる。そこで、行政区域全域の地番検索と、さらに精度の高い集計・分析が出来るように、2002年秋を目標に地番図をベクター化していく計画である。

システムは、目下、スタンドアロンで運用されているが、「将来的には、遺跡に限らず、町の文化財に関わるさまざまな情報や写真などを統合し、住民がインターネットから気軽に検索できるようなシステムを作りたい。また地籍図がシステム上で共有できるようになれば、他の部門でも広く活用できるようになります」と森田氏。

地籍図の統合は、全庁型GISへ向けた取り組みにおいて重要な要素となるが、そのためのシステム構築はどの自治体でも一朝一夕にはいかない。しかし、どういう取り組みから始めようと、情報ツールを活用する上で行政として目指すところはみな同じである。江南町教育委員会でも、そのために一歩ずつ、確実に前進していきたいと意欲的な構えである。

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